REPORT

名古屋オートトレンドはドレスアップカーやチューニングカーが数多く集まる東海地域最大のカスタムカーショー。今年は出展社やオーナーが心血を注いだ愛車、409台が展示され、2日間合計で7万1135人が来場した。そこで、世界中の愛車を取材している愛車ジャーナリスト・ゴリ奥野が出展社やオーナーの愛を特に感じる展示車両をピックアップ。超が付くほどの独断と偏見でLOVEポイントを紹介していくぞ。

NAGOYA AUTO TREND 2020の会場であるぽーとメッセなごや(名古屋市国際展示場)の入り口は、オープン前から長蛇の列。10時の開場とともに次々と人が吸い込まれていくが、エントランスには手の消毒液がセットされ、多くの人が手を消毒してから各ホールに向かう。新型コロナウイルスを含む感染症対策のための措置で、みなさまのご協力に感謝。なお、消毒液は会場内にもセットされている。

Rally Replicaスペシャル

3号館

エントランスを抜けて左に突き進むと3号館がある。3号館にはNAGOYA AUTO TREND 2020のメインステージがあり、アイドルグループのライブの他、ラリージャパンのステージなども行われた。

      

ハイエース (マナベモータース)

愛車LOVE度 ★★★★★

なんとわざわざ左ハンドルに改造したハイエース。マナベモータースいわく「左ハンドルに乗りたかったので作ってみました」。乗りたいから作る、その心意気、最高です! しかも、堂々と公道を走れる公認車検取得済み。オーナーのWANTを実現した、スーパーハイエースだ。

チェイサー (ガレージデュアル)

愛車LOVE度 ★★★★

旧型車を最新のトレンドでカスタムして、現行車に負けないようにヴィジュアルをグレードアップさせたい。多くのクルマ好きが感じる人類普遍(?)の法則だ。そんな好例がガレージデュアルのチェイサー。1990年代後半に人気を博した100系をベースに、流行の2トーンルーフやディフューザー風のリアバンパーでカスタム。その効果は抜群で、オーナーはさぞかしご満悦のはず。

GT-R (Street Special ガレージ八幡&Port West)

愛車LOVE度 ★★★★

愛車をもっと速く、カッコよくチューニングしたい。この願望もスポーツカーオーナーの間で根強い。このGT-Rは愛知県半田市にあるガレージ八幡で徹底的に鍛え上げられたチューニングカー。予想パワーは目玉が飛び出しそうになる1000ps以上! パワーとスピードは男の永遠のロマンなのだ。

86 MFGコンセプト (NTPグループ)

愛車LOVE度 ★★★

講談社のヤングマガジンで連載されているマンガ「MGゴースト」(作者しげの秀一)の主人公、片桐夏向が乗る86をイメージしてカスタムされたマシン。NTPグループのブースに展示されていた。フィクションの世界とはいえ、ある意味最も愛車らしい1台。ああ、劇中のように華麗に86を操りたい。

ポルシェ911 (RuBBerDIP×AIRLLEN×null-bar)

愛車LOVE度 ★★★★

ポルシェファンが憧れるワークスカラーリングのひとつ、マルティーニレーシングにペイントされた911。どの時代のポルシェにも似合う定番カラーリングと言えるが、実はこのカラーリングはペイントではなく、はがせるというから便利になったもの。この911のオーナーは普段から愛車の着せ替えを楽しんでいるのか⁉

スープラ (トヨタカローラ名古屋 GR Garage日進竹の山)

愛車LOVE度 ★★★★

知っている方も多いと思うが、「愛車」と言うフレーズはトヨタの豊田社長がよく使う言葉。トヨタディーラー各社も愛車ライフをもっと楽しんでもらおうと、さまざまな施策を行っている。トヨタカローラ名古屋はその筆頭株で、GR Garage日進竹の山でカスタマイズしたGRスープラを展示していた。ボディにはトヨタカローラ名古屋のオリジナルキャラクター、「カロニャーゴ」と「ワルニャーゴ」のステッカーが。このステッカーを愛車に貼るだけで愛着が湧きそうだ。

2号館

エントランスを抜けて右に突き進むと2号館がある。会場内にはタミヤやキッズカートのブースがあり、親子連れでにぎわっていた。また、オーナーズクラブがまとめて出展しているブースも。

86 (K-ONE by 共栄タイヤサービス)

愛車LOVE度 ★★★★

エアロカスタムの定番手法のひとつが、特定のクルマをイメージさせること。この86オーナーがそれを意識したかどうかは不明だが,明らかにスープラの雰囲気を感じさせる。86の外観をここまで変えるには思い切りも必要で、オーナーの決断力にあっぱれをあげたい。

ゴルフ (es4)

愛車LOVE度 ★★★★

とってもインパクトのあるカラーリングをまとった2代目ゴルフ。流行りのカモフラージュ柄に見えなくもないが、黄色をベースにしているのが新しい。たまたまだと思うが、イエローのカーペットとの相性もばっちりだ。ほどよくローダウンされたスタイルといい、オーナーのこだわりを感じる。

MR2 (乱人by AERO TECH JAPAN CO.,LTD)

愛車LOVE度 ★★★

パっと見は程度の良いフルオリジナル風の初代MR2。しかし、近くで見てびっくり。なんとエンジンは2代目MR2の3S-GTに換装されている。もちろん公認車検を取得済み。今のご時世、エンジンをスワップするのは決して珍しくはないが、同一車種(しかも新旧の組み合わせ)というのが好き者の証し。「For Sale」ということだが、買い手は付いたのか?

ジムニー (D.N.A-GARAGE-)

愛車LOVE度 ★★★★

今をときめく現行ジムニーの影に埋もれた感のある旧型ジムニー。しかし、最新トレンドでカスタムすれば、こんなにカッコよくなるんだという見本がこれ。カモフラージュ柄のボディカラーやBピラーから後部を黒く塗るアイデア(新型ハスラーを意識?)など、現行オーナー注目のテクニックがテンコ盛り。新しいだけが正義ではない。

1号館

1号館は「Realmize」というオールジャンルのショーが行われ、多数の愛車が展示されていた。また、展示車のまわりには飲食ブースやステージなども設けられ、とっても華やかな雰囲気に。さながら愛車天国のよう。

RX-7

愛車LOVE度 ★★★★★

誰もが足を止めて見ていくと言っても過言ではない、ゴールドのRX-7。とにかく派手、その一言に尽きる。頭の中でカスタムのイメージをまとめ、それを実行するのは簡単ではない(お金もかかるしね)。オーナーの努力に頭が下がる。

シルビア

愛車LOVE度 ★★★★★

チューニングベース車として、いじり尽くされた感のあるS15シルビア。しかし、このS15シルビアは非常に程度が良さそうで、オーナーの愛情がビンビン伝わってくる。派手過ぎないエアロパーツでまとめているのがポイント。

スイフトスポーツ

愛車LOVE度 ★★★★

スイスポ定番のチャンピオンイエローではなく、プレミアムシルバーメタリックのボディカラーを選んでいるのがナイス。ググっとローダウンされた車高とホイールのバランスも絶妙で、大人の雰囲気を醸し出している。ボディカラーの勝利か!?

RX-7

愛車LOVE度 ★★★★★

かつてF1をはじめとするレースの世界で超有名だったマルボロカラー。RX-7にマルボロカラーのレーシングカーがあったかどうかは定かではないが、意外なほど似合っている。フェンダーに無数の穴が開いているように見えるが、実際は黒と白のステッカー。

屋外

各展示棟をつなぐ動線には屋外エリアが設けられ、スーパーカーのイベントやオーナーズクラブの車両展示が行われた。個人的には土曜日に行われたNSXオーナーズクラブの展示がお気に入り。NSXオーナーが1台ずつエンジンをかけ、マフラーサウンドの美しさをアピールしていたのだ。

シティ

愛車LOVE度 ★★★★

なつかしさのあまり、思わず撮影した1台。ボンネットにパワーバルジがあるので、本物の「TURBOⅡ」だろう。黒いバンパーと黒ホイールが絶妙なマッチングを見せており、オーナーの並々ならぬこだわりを感じる。シティは旧車の世界ではマイナーな存在のため、ここまで作り込むのに相当な時間がかかったはず。

オロチ

愛車LOVE度 ★★★

知る人ぞ知る、光岡自動車のオリジナルカー、オロチ。1号館前の「スーパーカースーパーカー」に展示されていた。フロントマスク、エンジンルーム、リアのテールレンズ、どこを見てもインパクトありすぎ。1日でもいいからオロチを自分の愛車にしてみたい!

ヴィヴィオ

愛車LOVE度 ★★★★★

かつてWRC(世界ラリー選手権)に出場したこともある軽自動車のヴィヴィオ。スバリストが愛してやまないスーパーKカーだ。スバルのWRC活動のアイデンティティのひとつである「555」のロゴや、細かいスポンサーステッカーはヴィヴィオ専用に作ったと推測。オーナーの熱い思いが小さなボディに散りばめられている。


十人十色のオーナーがそれぞれの想いを投影させた17台の愛車。あなたが選ぶグランプリはどのクルマ? 筆者は全部のクルマにグランプリをあげたい。なぜならそのクルマのオーナーが楽しいことが一番だから。これを読んでいるクルマ好きのみんなもとことん自己流で愛車道を突き進もうぜ。

ゴリ奥野 PROFILE

愛車取材を中心にライター活動を行う愛車ジャーナリスト。愛称は“ゴリさん”。その活動は国内にとどまらず、アジアや北米、ヨーロッパなど、海外にも取材範囲を広げている。昨年、愛車86を売却したため、次の愛車を物色中。現在、自動車メディアはもちろん、自動車メーカーや自動車ディーラーが運営するサイト等への寄稿も行っている。

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